なぜイエローナイフは“オーロラ鑑賞率が世界最高”なのか?
・オーロラオーバル直下の好立地のため
緯度62°Nでオーロラ帯中心の“赤いゾーン”。1年あたり240日もの出現が期待できる
・晴天率が高く低湿度な気候条件
内陸性・亜寒帯の乾いた気候で年間の雲量が少なく、星空やオーロラを狙いやすい 。
オーロラは、地軸の真上ではなく「磁極」をぐるりと囲むリング状のエリア――“オーロラオーバル”の下に現れます。
このリングは常に広がったり縮んだり動き、それが最も真上に来やすい場所が「オーロラ銀座」と呼ばれています。カナダのイエローナイフやアラスカのフェアバンクス、ノルウェーのラップランド地方がその代表格です。
中でもイエローナイフは周囲に山がなく平地が広がっているため、冬でも雲が発生しにくく、澄んだ空でオーロラがはっきり見えやすいのが魅力です。いわば、「オーロラ銀座」の中でも特に見逃せないスポットと言えるでしょう。
季節別オーロラ鑑賞のポイント
夏(8〜9月上旬):白夜と深夜オーロラの両立
基本的にこのあたりの時期から各社のオーロラツアーの営業が始まります。
まだ日が長く日没も遅いため、夜遅い時間から未明にかけてオーロラ鑑賞ツアーが催行されます。
*太陽が水平線に沈んだ後も、”沈み切らずにそこに残っている”といった感じで夜12時を過ぎても薄明るい時期もあるほどです
この時期は緑色をはじめ、紫色や薄い赤っぽい色のオーロラがみえましたね。
また夜間気温は10度後半から20度付近安定しており、半袖に一枚薄いアウターがあれば十分対応できる気温なので、荷物も比較的少なくイエローナイフに行けると思います。
ただ、暖かい時期は虫が多いので、苦手な方はその点は留意した方がいいかもしれません。
秋(9〜10月):気温急降下と紅葉×オーロラ
日照時間が短くなり、8月よりも早い時間から未明遅くまでオーロラ鑑賞ツアーが行われるようになります。
2024年は10月上旬にオーロラ爆発が発生し、その時僕はとある湖に同僚とオーロラ狩りに来ており偶然湖に映える綺麗なオーロラが撮れました。
また、この時期になるとキャメロン滝が紅葉でより一層綺麗になるんですよね!
ハイキングツアーに参加するもよし、レンタカーを借りて自分で行くもよし!
キャメロン滝は子供からご高齢の方まで楽しめるなだらかなハイキングコースとなっております。
絶景も楽しめ、白樺の木・ライチョウなどの動植物も楽しめるのでおすすめです。
冬(11〜3月):極寒&長時間ショー
夜が長くなりチャンスタイムが長くなる季節-ただし極寒-
もっとも日照時間の短い期間は、日の出も午前9時を過ぎ、日没も午後4~5時あたりになるなど日が出る時間が極端に短くなるため、夏場と比較したときに相対的にチャンスタイムが増えます。
そのため、ツアーに行く前にダウンタウンからオーロラが見えたり、ツアーが終わってからも自分たちで徒歩でオーロラを探しに行くこともできるため、オーロラが大好きで寝る間も惜しんで探しに行きたいという人にとっては最高な時期になるかもしれません。
しかしこの時期は、ダウンタウンの気温でさえ常に-10℃を下回っており、寒い日は-30℃を下回るなど、日本ではあり得ない気温を体験することになります。
十分な装備を持っていないのであれば、ツアー会社からレンタルもしくは現地でイエローナイフ専用の装備を買うことをお勧めします。(筆者も極寒注意報が出ている日に舐めた格好して外出し、寒さで太ももが真っ赤になりピリピリと電流が流れるような感覚を味わい、命の危険を覚えたためそれ以来ちゃんとした装備で外出するようになりました)
ただ、冬は極寒の空の下で真っ白な雪の大地に映えるオーロラを見ることができます。
おそらく多くの人が想像するであろう”ザ・雪国のオーロラ”が見れます。
オーロラが爆発している時は誇張なしで、肉眼で綺麗なオーロラのカーテンのゆらめきを見ることができます。
鑑賞スタイル別メリット・デメリット
①オーロラツアーに参加する
こんな人におすすめ:「初めてで勝手がわからない」「極寒装備を一気にそろえるのは大変」「暖かい場所で待機したい」
メリット
・防寒着の貸し出しオプションもあり、暖房完備のキャビンや大型テントで待機でき、ホットチョコや軽食サービスがある場合も。
・ホテルまでの送迎付きで運転不要。道中のブラックアイス(路面凍結)を気にしなくてOK。
・現地ガイドがリアルタイムでオーロラをチェックしており、出現した際にはアナウンスしてくれるためオーロラを見る機会を見逃す心配は低い。
デメリット
・1人あたり CA$120〜130 とコスト高め。家族や長期滞在者は出費がかさむ。
・団体行動なので 撮影アングルや滞在時間の自由度が制限される。
・人気時期は予約が取りづらく、前日の急な好天チャンスに乗りにくい。
やはり、一番メジャーなのはツアー会社のオーロラ鑑賞ツアーに参加するという選択肢になってくると思います。
お金と引き換えに”至れり尽くせり”をゲットするといった感じですね。
ただ、金額やプランの自由度が限られているといったところがネックになってくるかと思います。
②市内から徒歩で無料スポットへ
こんな人におすすめ:「とりあえず今夜すぐ見たい」「軽装で気軽に体験したい」「お金をかけずに雰囲気を味わいたい」
メリット
・費用ゼロ。
・思い立った瞬間に歩いて行けるので弾丸チャレンジに最適。
・ダウンタウン周辺でも、運が良ければ真上にオーロラが出現することがある。
・ホテルや宿に近いので、寒さに耐えられなくなったらすぐ室内へ退避できる。
デメリット
・場所によっては光害の影響で薄いオーロラは見えにくい。出現方角に高層ビルがあると完全に隠れる。
・安全面:夜間の氷結路や薄暗い遊歩道は転倒や滑落リスクがある。また、ダウンタウンにはホームレスが徘徊しているため十分安全面を確保してください。
・歩くとそれなりに時間がかかる
徒歩のメリットはなんといっても無料でオーロラを見ることができるかもしれないという点ですよね!
夏から冬の終わりまでは僕自身も歩いてオーロラを探しに行っていました。
自由度は高いですが、ある程度街の灯りから離れようと思ったらそれなりに歩く必要があります。
③レンタカーでセルフハンティング
こんな人におすすめ:「機材ガチ勢」「人混みが苦手」「自分のペースで撮影したい」
メリット
・機動力抜群。雲が出たら10km先へ即移動など、柔軟にプラン変更できる。
・ツアーが行かないマイナースポットを開拓でき、真っ暗+貸し切り状態で撮影可能。
・日中は観光、夜はハンティングとスケジュールを自由に組める
デメリット
・24時間レンタルで CA$100〜150+保険・燃料代。
・冬道運転のハードル:ブラックアイス、吹雪、スタックに注意。
・道に迷ったときの携帯圏外リスク、車両トラブル時の寒冷環境を自力で乗り切る準備が必須
レンタカーを自分で借りて行動する強みはなんといっても、その機動力とプランの自由度。
僕自身も同僚と2回だけレンタカーでオーロラハンティングに行ったのですが、やはり自分たちの裁量100%で活動できるのはストレスフリーで、ツアーとはまた違う良さがあるなと実感させられました。
スタバやマック、お菓子を買ってみんなでワイワイしながら行くのは楽しいですよ。
しかし、その反面お金はもちろんですが運転のリスクが伴います。
特に冬場はすごい量の雪が積もりますし、道路も凍結するので雪国での運転経験者の方にこのプランはお勧めしたいですね。
(僕の同僚もなかなか大変な目にあったようで。)
何より大勢の方がオーロラハンティングに行くイングラハムトレイルはそんなに車の往来が多い場所ではないため、何かあった時の緊急対策は必須になると言えます。
はいっ、そろそろ長くなってしまったので今回のブログはここまでとさせていただきます。
次回はこの最高のオーロラを、手持ちのスマホだけでキレイに撮影するテクニックを詳しくご紹介します。ぜひお楽しみに!