ワーホリを“次のステージ”につなげたい人へ
ワーホリを「ただの思い出」ではなく、「次のキャリア」につなげたいなら、
多くの人が目指すゴールはだいたいこの2つだと思います。
- ① 時給アップ・ポジションアップを勝ち取る
- ②ワークパーミット(就労ビザ)をサポートしてもらう
ここで勘違いしがちなのが、
「運が良ければ」「英語さえペラペラならなんとかなるでしょ?」
という発想です。
もちろん運も英語力もゼロではありません。
ただ、それだけで決まる世界ではない、というのが僕がカナダで働いて感じたリアルです。
ワーホリに求められるのは、
短期間で “替えが利かない人材” として職場にインパクトを与えること。
つまり、「あなたがいないと困る」状態まで持っていけるかどうか。
仕事を覚える速さ、改善提案の数、自走力、そして“愛想=感じの良さ”。
これらが目に見える形で積み上がってきたとき、雇用主の中でのあなたの評価は一段上がります。
その結果として、
- ワークパーミット支援の打診が来る
- 時給アップの交渉が通りやすくなる
といった「次のステージ」に自然とつながっていきます。
この記事では、
- あなたにワークパーミットを出す価値があると思わせる働き方
- 時給交渉を“数字”で通すための実績づくり
- 今日からできる “即戦力アピール” の具体策
を、実体験ベースで整理していきます。
1. ワーホリでも“本気”が求められる理由
端的に言うと、ワーホリは
- ビザ期限が短い → 「どれだけ早く採用されるか」「どれだけ早く戦力になるか」が命
- 仕事ぶりの良し悪し → 時給・ワークパーミット・今後のキャリアにすべて直結
しているからです。
ワーホリは“お試し期間”のように見えますが、
雇用主にとっては普通に「投資対象」です。
- 採用のための工数
- トレーニングに割く時間と人件費
- ミスが出たときのロス
こういったコストをかけてでも、「この人を育てたい」と思ってもらえるかどうか。
ここが、ワーホリを「遊びで終わらせる人」と「次につなげる人」の大きな分かれ目です。
この章のミニアクションプラン
- 自分のビザの残り期間をカレンダーに書き出し、「逆算」で考える
- 「いつまでに仕事を決めるか」「いつまでに戦力レベルに到達するか」をざっくり決める
- 「この1年は“お試し”ではなく“キャリアの1ページ”」と紙に書いて、スマホに写真保存しておく
2. 「あなたがいないと困る!」と言わせる3つの指標
2-1. 仕事を覚える速さ:すべての土台になる
正直なところ、特別なスキルや高い語学力よりも、
まず評価されるのは「一生懸命に仕事を覚える姿勢」です。
僕自身、決して物覚えが良いタイプではありません。
だからこそ、それを補うためにこんな工夫をしてきました。
- 新しいことを教わったら、その場でメモを取る
- 手順が多い作業は、許可をもらって動画や写真で記録する
- 帰宅後、その日の学びを5〜10分だけでも復習する
この2つ・3つの習慣が、地味ですが仕事力のベースを支えてくれました。
どんな職場でも、
- 覚えが早い
- ミスが少ない
スタッフには、自然とチャンスが回ってきます。
特別な才能がなくても、地道に覚え、工夫し続ける姿勢は必ず評価につながります。
そしてそれが、時給アップやワークパーミット取得への“勝ち筋”になります。
▼「仕事を覚える速さ」を上げるアクションプラン
- 新しいタスクを教わるときは必ず「メモ+質問」をセットで行う
- その日覚えたことを、家に帰って3つだけ箇条書きにして残す
2-2. 自走力が信頼を生む ── “言われたことだけやる人”から一歩先へ
カナダでのワーホリ中、ツアー会社とレストランキッチンで合計11ヶ月以上働いて感じたのは、
本当に信頼される人は「指示待ちではない人」
だということでした。
一緒に働いた50人以上の同僚を見ていても、
オーナーやマネージャーから評価されていたのは、決まってこんな人たちです。
- 暇そうに立っていない
- 「今、自分にできることは?」を常に探して動いている
- ゴミ箱がいっぱいなら言われる前に替える、在庫が減っていれば先回りで補充する
特に評価が高かったのは、
- 業務マニュアルの改善点を自ら提案する
- 実際に変更し、ミスや作業時間の減少といった“成果”として見せる
ここまでくると、「ただの作業員」ではなく“戦力”として扱われます。
もちろん、改善提案にはコミュニケーションも必要です。
ですが、最初の一歩は難しいことではなく、
「もっといいやり方、ないかな?」と考えるクセをつける
ことから始まります。
▼「自走力」を鍛えるアクションプラン
- 暇な時間ができたら、必ず「自分から」上司か先輩に一言尋ねる
- “Anything I can help with right now?”
- 1日に一度は「自分発信の行動」(掃除・在庫チェック・改善案メモなど)を入れる
- 気づいた改善点はすぐに言わず、メモしておき、タイミングを見て上司に相談する
3. 「愛想」は性格じゃなく、“ワーホリで稼ぐための仕事道具”だと思う
ここでひとつ、めちゃくちゃ大事だけれど軽く見られやすい要素があります。
それが 「愛想(感じの良さ)」 です。
「自分、もともと無口だし…」
「海外ノリのテンション高い感じ、あまり得意じゃない…」
という人もいると思いますが、ここで言いたいのは、
愛想は「性格」ではなく、「切り替えられる仕事モード」だと割り切った方が得
ということです。
3-1. 北米では「感じの良さ」=売上そのもの
特にチップ文化のあるカナダ・北米では、
- 同じスピード・同じクオリティの仕事でも
- “感じがいい人” ,”いい接客をする人”にチップもリピートも集まる
という現実があります。
ここでの「愛想」は、無理にキャラを変えることではありません。
- 目を見てハキハキと挨拶する
- 声を1トーン上げる
- 相手と話す時は常に笑顔を忘れない
こうした小さなリアクションの積み重ねが、
チップにも評価にも直に効いてきます。
実体験として
「10分に1回くらいの頻度で水のおかわりいかがですか?」
「ご飯おいしかったですか?」
と、やりすぎじゃないか?と思うくらいの接客をしてきます。
やられた側も悪い気になる人なんていませんよね?
4. トライアル期間でクビになる人の共通点
ここまで「評価が上がる人」の話をしてきましたが、
逆にトライアル期間で切られやすい人には、共通点があります。
- 仕事を覚える気がない
- 指示されたことしかしない・それすら雑
- 表情が暗く、話しかけづらい(=愛想ゼロ)
僕の周りでも、言語力ではなく
- “覚える気のなさ”
- “仕事への向き合い方そのもの”
が理由で、日本人がジャパレスをクビになった話を何度も聞きました。
アルバイトとはいえ、採用〜研修〜教育にはコストがかかります。
会社から見たら、「やる気が見えない人」は投資する価値がないんです。
さらに、カナダの生活費は日本より高いです。
ダラダラしていると、貯金が一瞬で吹き飛びます。
だからこそ、はっきり言います。
悪いことは言いません。
最初の1ヶ月で本気を出して仕事を覚え、早く安定収入を確保してください。
これが、ワーホリを生き抜くうえで
いちばんシンプルで、いちばん現実的な戦略です。
5. 速攻で実力をつけ信頼を勝ち取るコツ
5-1. 先輩の動きを丸ごとコピーして、即実践&改良する
キッチンで学んで一番役に立ったのが、
「一番できる人の動きを、まずは100%コピーする」
という考え方でした。
飲食の仕事は、とくに動き・手順が決まっている世界です。
一度「最短ルート」を身体で覚えてしまえば、その店でずっと使えるスキルになります。
- 一番仕事が早い先輩を観察する
- どの順番で動いているか、どこで無駄がないかをメモする
- 翌日から、自分の動きにそのまま取り入れてみる
これを繰り返すと、「なんとなく頑張る」ではなく
“結果の出る頑張り方”に変わっていきます。
5-2. ゴールから逆算する:上司とお客さま、両方をファンにする
ワーホリで“次のステージ”を狙うなら、
上司とお客さんに対して、それぞれこんなゴールを持っておくとわかりやすいです。
上司に望むこと
- ワークパーミットを出してほしい
- 時給を上げてほしい
- 仕事も頑張りつつ、ちゃんと休みも調整してほしい
お客さまに望むこと
- 気持ちよくチップを払ってほしい
- リピーターになってほしい
- 「あの人がいるからまた来たい」と思ってほしい
これらを同時に叶える鍵は、実はかなりシンプルです。
「常に愛想を振りまき、誰よりも早く仕事を覚え、誰よりもテキパキこなす」
- 同じ仕事を1週間で覚える人と、1ヶ月かかる人
- 同じ料理を5分で出す店と、20分待たせる店
どちらが評価され、チップをもらい、
ポジションアップや時給アップの話が来るかは、火を見るより明らかですよね。
▼「上司とお客さま、両方のファンを作る」アクションプラン
- 「今日は上司から“助かるわ〜”と言われる行動を1回する」と決めて出勤する
- お客さま用に、自分なりの決めフレーズを2〜3個用意しておく
- “How was everything today?”
- “Thank you so much for coming!”
- 1週間ごとに、「自分ができるようになったこと」を3つ書き出して、成長を見える化する
6. まとめ:迷ったら“本気で働く”を選ぼう
最後に、この記事のポイントをもう一度まとめます。
- ワーホリは「運」と「英語力」だけで決まらない
- 短期間で “替えが利かない人材” になれば、ワークパーミットも時給UPも現実的になる
- 仕事を覚える速さ・自走力・愛想(感じの良さ)が、評価を一気に押し上げる武器になる
- トライアル期間は「とりあえず様子見」ではなく「本気を見せるステージ」
- 先輩の動きをコピーし、ゴールから逆算して動ける人が、次のステージに進める
短期ビザだからこそ、ダラダラしている時間は本当にもったいないです。
ガッと実力をつけて、
「あなたがいないと仕事が回らない」状態を意図的に作る。
この1年で身につけた「仕事の覚え方」「自走力」「愛想のスイッチの入れ方」は、
ワーホリが終わったあとも、あなたのキャリアをずっと支えてくれるはずです。
努力と工夫は、必ず未来のあなたを助けます。
それでは、またっ!!

